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計1689枚使用…建物の屋根から側面まで一体的に導入された日鉄「鋼矢板」の性能

技研製作所の「創造館(世界杭打機ミュージアム)」と「研究棟」で採用
計1689枚使用…建物の屋根から側面まで一体的に導入された日鉄「鋼矢板」の性能

創造館(世界杭打機ミュージアム)

日本製鉄の鋼矢板が、技研製作所が高知県香南市に持つ「創造館(世界杭打機ミュージアム)」と「研究棟」の主要構造材として採用された。鋼矢板は通常、河川護岸や道路擁壁などに使われるが、建築の主要構造物として屋根から側壁まで一体的に導入するのは初めて。

採用されたのは、既設構造物との隙間をゼロの状態で圧入できる2社の共同開発品。鋼材のしなやかな特性をいかしつつ、斬新な構造とした。鋼矢板で地盤を囲い締め切ることで、液状化などによる地盤の変形を抑える拘束地盤免震技術も応用した。使用された鋼矢板は合計1689枚。

日本製鉄と技研製作所は長年、さまざまな鋼矢板・鋼管杭とその施工法の研究開発に共同で取り組んできた。例えば、その一つである「ジャイロプレス工法」は、河川護岸や道路擁壁などを中心に多数の採用実績がある。両社は今後も鋼矢板や鋼管杭の普及や新たな活用法の提案に取り組んでいく考え。

日刊工業新聞 2023年04月10日

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