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売上高5倍50億円へ、愛知製鋼がステンレス鋼構造物事業を強化する狙い

愛知製鋼はステンレス鋼構造物の構築事業を強化する。子会社の愛鋼(愛知県東海市、古寺実社長)が衣浦工場(愛知県半田市)で、日本鋼構造協会建築鉄骨品質管理機構から「ステンレス建築構造物製作工場」の認定を取得した。これを機にステンレス鋼構造物の設計協力や工場製作・現場施工の体制を拡充する。2030年には同事業で現状比5倍の売上高50億円を計画する。

愛知製鋼は30年までの成長戦略として、ステンレス鋼構造物の構築機能の拡大を掲げている。96年に関連する部門を立ち上げ、これまで建築や土木、プラント分野に向け事業を展開してきた。

新たに、愛鋼衣浦工場がステンレス建築構造物製作工場として認定を取得したことで、既存の建築・土木分野に加え、需要が旺盛な医薬品、食品、飲料工場建設に伴うステンレス鋼構造物を製作する方針。

愛鋼では現場施工の内製化を目指し、24年にも一般建設業の許可を取得する。22年度は数億円だったステンレス部材事業の売上高を26年度には5億円、30年には10億円に引き上げる。

ステンレス鋼は強度が高いほか、錆びにくさといった耐腐食性があることなどから需要が増えている。耐水素脆(ぜい)性もあり、水素社会の実現に寄与する鋼材として期待されている。

日刊工業新聞 2023年04月10日

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