急増するコロナ破綻…「収束見通せない」
物価高や人手不足など追い打ち
新型コロナウイルス関連の経営破綻が急増している。東京商工リサーチ(TSR)がまとめた2022年度の新型コロナ関連の経営破綻(負債1000万円未満を含む)は前年度比42・2%増の2757件と増加した。東京都が最も多く、大阪府、愛知県と続き、大都市圏を中心に発生している。23年度は物価高や人手不足などを背景に企業のコストが上昇し、さらに増加する可能性が高いとみている。
具体的には東京都が530件、大阪府が276件、愛知県が154件、福岡県が138件、北海道と神奈川県が各117件だった。一方、前年度との比較で増加率のトップは鹿児島県で約4倍、次いで長崎県の3・1倍、大分県の2・9倍と九州3県が上位を占めた。
業種別では飲食業の425件が最多で、休業要請や外出自粛による来店客数の減少が響いた。ただ増加率は31・1%増と全体の増加率を下回り、発生ペースは鈍化。一方、介護事業を含む医療、福祉事業は93・9%増と倍増した。特に介護は感染を恐れて利用を控える動きが続いたためとみている。
22年度後半はコロナ関連融資などの支援策が縮小し、融資の返済も本格化。これに伴い、コロナ破綻も3月まで4カ月連続で月間最多を更新した。同社は「アフターコロナの時期に差し掛かっても、依然としてコロナ破綻の収束が見通せない」としている。
日刊工業新聞 2023年04月10日