新幹線トンネルの表面を検査する、スゴい新システムの効果
NEXCO西日本とJR西日本が共同開発
西日本高速道路(NEXCO西日本)はJR西日本と共同で開発した新幹線トンネル用の表面検査システム「次世代SATUZO=写真」で、速度が従来の10倍以上の時速50キロメートルでも幅0・5ミリメートルのひび割れを撮影可能とするなどの実用化効果を確認した。トンネルのアーチ状の覆工部分の表面を検査するシステムで、NEXCO西日本の道路トンネル点検システムの技術を活用して車両数削減などの効率化も図った。
新システムは9台のラインセンサーカメラでトンネルの半断面を撮影、往復してトンネル全体を一つの画像で出力する。撮影時の速度を高めるためトンネル前後の録画の開始・停止、レンズ制御を自動化した。従来時速は3キロ-5キロメートルだった。
撮影中の断面変化や線路曲線部での内外レールの高低差対応でレンズをオートフォーカス制御とした。防水構造として雨天時に地上部で装置を収納するなどの作業を省ける。これら新機能の装置を既存車両に搭載、少ない車両で撮影できる。
今後も両社の技術を活用、デジタル変革(DX)で社会インフラの維持管理技術の向上などを図る方針。
日刊工業新聞 2023年04月06日