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脱炭素化5年前倒し、デンソー生産子会社があの手この手

脱炭素化5年前倒し、デンソー生産子会社があの手この手

デンソー福島が水素燃料を導入する予定のアフターバーナー炉。排ガスを無害化する

デンソーは、生産子会社のデンソー福島(福島県田村市)でのカーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)達成時期を5年、前倒す。これまで2030年度をめどとしていた達成時期を25年度に早める。自社で水素製造や太陽光・風力発電を賄うほか、外部調達した非化石電源を活用し、脱炭素化を加速する。蓄積した技術の外部展開も狙う。

トヨタ自動車燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の燃料電池(FC)スタック部品を9割以上応用して開発した水素製造装置を導入した。再生可能エネルギーを使って水を電気分解し、二酸化炭素(CO2)排出ゼロの水素を生成する。

デンソー福島は、自動車用エアコンやラジエーターなどを生産している。製造工程で出る排ガスを無害化するアフターバーナー炉の燃料をLPガスから水素に置き換える。工場内のアフターバーナー炉の2ラインのうち、早ければ10月ごろに1ライン目を、24年度以降に2ライン目を水素燃料に切り替える計画だ。

このほか無人搬送車(AGV)やトラックなど、工場内物流機器の燃料などに製造した水素を活用することも視野に入れる。

デンソー福島では22年4月から再生エネなど非化石燃料由来の電力の外部調達を始めた。今後は敷地内に設置する風力発電機や太陽光発電パネルの増設も検討する。


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日刊工業新聞 2023年03月29日

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