冷蔵庫や鉢植えにIoTを―高校・大学生チーム健闘!
「Yahoo! Japan HackDay2016」レポート(後編)
Yahoo! Japan Hack Day 2016では社会人エンジニアに交じって高校生や大学生が健闘した。青山学院大学の小倉拓人さんらは、使わなくなったスマホで冷蔵庫を知能化する「IoTizer」を開発。スマホを冷蔵庫にぶら下げておけば、音声入力で在庫管理ができる。在庫は他のスマホやブラウザでも確認可能。ドアの開閉数をツイートできるため、離れて住む両親の安否など、簡単な見守りシステムにもなる。小倉さんは「手軽に知能化できる点がメリット」という。家電メーカーのインターネット冷蔵庫に勝てれば面白い。
奈良先端科学技術大学院大学の中村優吾さんらは植物とコミュニケーションをとるための鉢植えロボを開発。植物に話しかけると音声認識や表情認識して、植物が光り、動く。5つの鉢を搭載可能だ。中村さんは「IoTが進めば、一見ロボットに見えないものがロボット化していく。植物はその典型、先鞭をつけたい」という。
東京学芸大学附属高等学校からは1年生4人チームが参戦。読書感想文など作文する人工知能(AI)に挑戦した。渡辺洸希さんは「読書感想文は面倒くさい宿題の第一位。AI化してしまいたい」と動機を説明する。ウェブからとってきた文章を要約して組み合わせ、感想文を自動生成する作戦だ。ただ実現すれば人工知能学会で賞をとれるレベルだ。一晩、開発に打ち込み、結果は「イマイチ…」。「うまく行く回もあるが、なかなか論理的にならない。テンプレートに当てはめることもできるが、それでは応用範囲が狭い」と悔しがる。「高校卒業まで、まだ二回チャンスはある」と再戦を誓う。
大人たちも黙っていない。鼻歌やハミングだけでどんな楽器でも演奏できるシステムや、SNS用に撮った写真を身につけるデジタルアクセサリー、ウェアラブルカメラの映像から一日のダイジェストを作成するシステムなどが開発された。ダイジェストは一日に限らず、一週間、一年と自分の人生を振り返れる。将来は走馬燈も再生できるかもしれない。ほかにも仏壇の線香の煙に故人との思い出を投影したり、仏壇に故人の顔を立体投影して会話したりするシステムも登場。人生のデジタル化は多くの大人が関心をもつテーマだ。
同時開催の「COLLABO HACK」では、お笑い芸人のカンニング竹山さんにドローンがタライを落とす「タライドローン」や、タレントの篠崎愛さんと部屋でデートできる「VRバレンタイン」などが披露された。視覚・触覚・嗅覚などの五感にうったえかける作品だけに、デートを楽しもうと長蛇の列ができた。ただ運営スタッフが近くにいたため、「ヘタなことができない」と嘆いた大人も少なくない。
Hack Dayには老若男女が参加し、楽しみ方もさまざまだ。作品の実用性や、笑い、煩悩を追求したり、自身の成長を測る場にしたり、朝から一緒に開発していても、日付が変わる頃にはケンカ別れしているチームもある。それでも24時間後には面白い作品で会場は溢れる。テーマフリーのハッカソンならではこその光景だ。
(文=小寺貴之)
奈良先端科学技術大学院大学の中村優吾さんらは植物とコミュニケーションをとるための鉢植えロボを開発。植物に話しかけると音声認識や表情認識して、植物が光り、動く。5つの鉢を搭載可能だ。中村さんは「IoTが進めば、一見ロボットに見えないものがロボット化していく。植物はその典型、先鞭をつけたい」という。
東京学芸大学附属高等学校からは1年生4人チームが参戦。読書感想文など作文する人工知能(AI)に挑戦した。渡辺洸希さんは「読書感想文は面倒くさい宿題の第一位。AI化してしまいたい」と動機を説明する。ウェブからとってきた文章を要約して組み合わせ、感想文を自動生成する作戦だ。ただ実現すれば人工知能学会で賞をとれるレベルだ。一晩、開発に打ち込み、結果は「イマイチ…」。「うまく行く回もあるが、なかなか論理的にならない。テンプレートに当てはめることもできるが、それでは応用範囲が狭い」と悔しがる。「高校卒業まで、まだ二回チャンスはある」と再戦を誓う。
大人たちも黙っていない。鼻歌やハミングだけでどんな楽器でも演奏できるシステムや、SNS用に撮った写真を身につけるデジタルアクセサリー、ウェアラブルカメラの映像から一日のダイジェストを作成するシステムなどが開発された。ダイジェストは一日に限らず、一週間、一年と自分の人生を振り返れる。将来は走馬燈も再生できるかもしれない。ほかにも仏壇の線香の煙に故人との思い出を投影したり、仏壇に故人の顔を立体投影して会話したりするシステムも登場。人生のデジタル化は多くの大人が関心をもつテーマだ。
同時開催の「COLLABO HACK」では、お笑い芸人のカンニング竹山さんにドローンがタライを落とす「タライドローン」や、タレントの篠崎愛さんと部屋でデートできる「VRバレンタイン」などが披露された。視覚・触覚・嗅覚などの五感にうったえかける作品だけに、デートを楽しもうと長蛇の列ができた。ただ運営スタッフが近くにいたため、「ヘタなことができない」と嘆いた大人も少なくない。
Hack Dayには老若男女が参加し、楽しみ方もさまざまだ。作品の実用性や、笑い、煩悩を追求したり、自身の成長を測る場にしたり、朝から一緒に開発していても、日付が変わる頃にはケンカ別れしているチームもある。それでも24時間後には面白い作品で会場は溢れる。テーマフリーのハッカソンならではこその光景だ。
(文=小寺貴之)
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