NECが担当、経産省が「次世代DCプロジェクト」の開発を中止する背景事情
「グリーンイノベーション基金」で初
経済産業省はグリーンイノベーション基金を使った次世代データセンター(DC)のプロジェクトで、NECが担当する「アクセラレーター」の開発を中止する。市販製品の性能向上が想定より速く進んだため。グリーンイノベーション基金で開発を中止するのは初めて。代わりに市販製品を採用し、2030年までに40%以上省エネ化したDCを実現するとの目標は変えない。
グリーンイノベーション基金による開発プロジェクトの進捗(しんちょく)を確認する作業部会で、NECから辞退の申し出があり、了承された。
「次世代グリーンデータセンター」プロジェクトでNECは省電力のアクセラレーターを開発し、現行の中央演算処理装置(CPU)と比べ10倍の電力効率向上を目指すとしていた。同プロジェクトでNECは、システム全体を効率化する「ディスアグリゲーション技術」も担当しており、同技術の開発は継続する。
同プロジェクトでは、光技術を半導体に取り入れて省電力化を図る「光電融合」をDCに適用することを目指している。
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日刊工業新聞2023年3月20日