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医療用医薬品、国内市場は初の10兆円超え

がん領域は未充足の医療ニーズが高い
 アイ・エム・エス・ジャパン(東京都港区)は、2015年1―12月に国内医療用医薬品市場(薬価ベース)が前年比6・2%増の10兆5979億円だったとの調査結果をまとめた。暦年での10兆円超えは初めて。薬価改定がなかったことや、C型肝炎薬「ハーボニー」をはじめとする大型薬の発売が影響したとみられる。16年は薬価改定の影響などで低成長や前年割れになる可能性もある。

 製品ランキングでは、15年9月発売のハーボニーが1176億円を売り上げて1位。2位は中外製薬の抗がん剤「アバスチン」で、同13・4%増の1153億円だった。

 販売会社段階で集計した製薬企業ランキングは1―10位の顔ぶれと順位が前年と変わらなかったものの、ハーボニーの販売元であるギリアド・サイエンシズ(東京都千代田区)が15位に入った。前年はランク外だった同社が市場の伸びに寄与した側面がある。
日刊工業新聞2016年2月16日 ヘルスケア面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
市場別では、99床以下の開業医が前年比2・3%増、100床以上の病院が 同10・9%増でした。薬効別では抗がん剤が1位で、同9・7%増と なりま した。大規模な医療機関で専門医が処方する薬剤の需要が伸びていることがうか がえます。医療用医薬品の世界では、多人数に処方する生活習慣 病の薬は後発 薬への置き換えが進みつつあります。がん領域は未充足の医療ニーズが依然として多く、今後も薬価が高い製品が出てきそうです。 (日刊工業新聞社編集局第二産業部・斎藤弘和)

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