半導体調達難の顧客お助け、商社が代替品提案強化
英半導体・電子部品商社リバウンドエレクトロニクスの日本法人であるリバウンドエレクトロニクス(横浜市港北区、塚原雅之社長)は、半導体や電子部品の調達難などに悩む顧客に代替品を提案する活動を強化する。代替品を扱う新興メーカーとの販売代理店契約を増やすなどし、短納期や低価格化につなげる。自社全体の売上高に占める代替品販売の売上高の割合を、現行の1%程度から2024年末をめどに約20%に引き上げる。
コロナ禍でのロックダウン(都市封鎖)やサプライチェーン(供給網)寸断により、半導体や電子部品の納期が長期化。企業は設計変更や代替品の活用を余儀なくされた。リバウンドエレクトロニクスはこれを踏まえ、22年末ごろから代替品の提案活動を本格化。代替品は「Nuvonix(ヌーヴォニクス)」というブランド名で展開している。
ヌーヴォニクスでは、主に台湾や中国メーカーの製品を取り扱う。通常では納期に40―50週ほど要する製品を12―16週程度まで短納期化するほか、価格も約1―2割安くすることを目指す。
金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)といったディスクリート(個別)半導体やコネクター、コンデンサーなどを用意する。現在、約30社と代理店契約を締結。「23年中には50社近くになる計画」(塚原社長)という。車載品を中心に、製品のラインアップ拡充に取り組む。
リバウンドエレクトロニクスは03年に英国で設立し、19年に日本に進出した。日本法人は愛知県、京都府、福岡県に営業所を開設し、顧客を地域密着で支援する。売上高は非公開。
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日刊工業新聞 2023年03月09日