「中部空港に大展示場」の憂鬱

愛知県と名古屋市が"決裂"

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中部国際空港(愛知県のホームページから)
 愛知県が中部国際空港(愛知県常滑市)の空港島の県有地に展示場を新設し、2019年秋に稼働する計画を打ち出した。展示面積6万平方メートルは中部地方最大のポートメッセなごや(名古屋市港区)の1・8倍。国内2位の幕張メッセ(千葉市美浜区)、3位のインテックス大阪(大阪市住之江区)と肩を並べる

 愛知は製造出荷額で38年間連続日本一。自動車や航空機などで次世代技術・製品の開発も活発だ。しかし展示場という“華やかな舞台”は東西に譲ってきた

 大村秀章知事は2020年の東京五輪を好機と見た。東京周辺の展示場には使用制限がかかる。会場に困った展示会に中部開催を試してもらう作戦だ。「五輪後の稼働では意味がない」と強調する

 建設費は可能な限り抑えるとしても「相当がんばらなければならない」。4万平方メートル以上の展示会を毎月開催するのが採算確保の目安だが、中部ではこれまで経験したことのない水準だ

 名古屋市は県に、共同でポートメッセなごやを拡張するよう求めていた。しかし用地確保に効果的な策が打てず、県側がしびれを切らした形。両施設は競合することになるのか。県の新展示場が、地方創生を願うあまりの“賭け”になることを恐れる。

日刊工業新聞2016年2月8日1面コラム「産業春秋」

COMMENT

需要以上のハコを作っても使われない。しかし、まずはハコがないと需要を創出できない・・・中部地区で論争が続いてきた展示場の整備問題はまさに「ニワトリと卵」形式でしたが、このほど愛知県が結論を出しました。もともとは「技能五輪の開催」を主目的としていましたが、今では「東京五輪の開催で首都圏の展示場が不足する問題への対応」といった大義名分も出てきています。 果たして「空港の展示場」は機能するかどうか。ハコをつくる以上、中部圏以外の人も呼び込むような展示会が求められると考えます。

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