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“カゴ”をかぶせてMRIとPETを同時測定

放医研などが開発、2020年の実用化目指す。アルツハイマー病などの診断が簡単に
“カゴ”をかぶせてMRIとPETを同時測定

頭部にかぶせるコイルにPET用の検出器を埋め込んだ

 放射線医学総合研究所の山谷泰賀チームリーダーらは、既存の磁気共鳴断層撮影(MRI)装置を利用し、専用の“カゴ”をかぶせるだけで陽電子放射断層撮影(PET)とMRIを同時測定できる手法を開発した。MRI測定の際、頭部にかぶせるコイルにPET用の検出器を埋め込み、MRIとPETによる画像の同時撮影を可能にした。脳に異常なたんぱく質がたまることで発症するアルツハイマー病など脳の疾患の診断に使える。

 浜松ホトニクスや千葉大学などとの共同研究。今後装置の改良を進め、2020年の実用化を目指す。価格はコイル1個当たり1億円以下を見込む。

 PETとMRIを同時に測定できるため、測定時間を短縮でき、患者の負担軽減につながる。また同時計測することで患者の体の動きを補正し、診断精度を上げられる利点がある。
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日刊工業新聞2016年2月12日 科学技術面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
PETとMRIを一体化した装置が発売されているが、装置や建物の工事費用などを含め7億円程度の初期費用がかかるとされ、新手法が実用化されれば普及が進む。

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