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金属プレス加工の新栄工業が持ち株会社に移行、社長が明かす狙い

金属プレス加工の新栄工業が持ち株会社に移行、社長が明かす狙い

HD化で財務、人事、生産など各領域でのグループシナジーを拡大する(新栄工業本社)

新栄工業(千葉市花見川区、中村新一社長)は、3月中旬をめどに持ち株会社制に移行する。純粋持ち株会社を設立し、新栄工業と、同社がM&A(合併・買収)で取得したアポロ工業(埼玉県吉川市)、飯能精密工業(同飯能市)の3社を傘下に置く。持ち株会社が子会社の人事評価や賃金制度策定、社員教育などを担い、グループの持続的な成長や従業員のモチベーション向上につなげる。

中村新一社長は「中小企業は余力や知識がなく、人事評価や社員教育まで手が回らない。持ち株会社はそうした『未来への投資』を担う」と狙いを語る。

新設する持ち株会社の社名は「新栄ホールディングス(HD)」。同社を設立後、株式交換で3社を完全子会社化する。社長には3社の社長を務める中村氏が就き、各社の社長も続投する。本社は中間点であるアポロ工業の本社内に置く。8年以内に3社合計の売上高で現行比2・7倍の30億円を目指す。

新栄HDに金融機関からの借り入れを一本化するほか、グループ内での代替生産、人材融通、出向なども本格化し、相乗効果を拡大させる。社員数は3社合計で約90人。持ち株会社化により中間ポストが増え、従業員のキャリアアップの機会も広がる見通しだ。

5月までに飯能精密工業の工場に1500万円を投じてプレス加工ラインを導入し、アポロ工業が受注した電気自動車(EV)向け部品の生産を一部代替する計画だ。

新栄工業は建築金物を中心に金属プレス加工を手がけるが、金型の設計、製造ノウハウが不足していた。19年に自動車部品向けの金型とプレス加工に強みを持つアポロ工業を5000万円で買収。22年にプレス部品の生産力増強を目的に飯能精密工業を買収した。当面、3社のシナジー創出に力を注ぐ。

日刊工業新聞 2023年02月27日

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