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危険な「雪かき」無人化、協調する自動運転建機の仕組み

弘前大学の竹囲年延助教と村山寛人学部生、東京大学の永谷圭司特任教授らは、自動運転の建機による協調排雪システムを開発した。中古の小型ダンプとホイールローダーの2台を自動運転用に改造した。夜の暗闇の中でも排雪作業ができることを確認した。今後、協調台数を増やして現場での適用を検討する。

既存の小型ダンプとホイールローダーをそれぞれ自動運転用に改良した。建機の位置は周囲に配置した高性能センサーのLiDAR(ライダー)で計測する。11×18メートルの範囲を3台の3次元(3D)LiDARでカバーする。建物の近くなど全地球測位システム(GPS)が使えない環境でも自動化でき、カメラでの画像認識が使えない夜でも機能する。

大学の試験フィールドで雪をすくってダンプに積み込む作業を実験した。すくい取る位置と積み込みの位置を走行距離が短くなるように経路を最適化する。夜間でも高さ2メートルの雪山から自動で積み込み排雪できることを確かめた。除雪の自動化研究は除雪機で雪を押しのけ雪山を作るものが多い。雪捨て場に搬出するには運搬用の車両と積み込み用の機体の協調が必要だった。雪かきは雪が解け踏み固められる前の早朝や夜間に行われる。自動化できると除雪員の負担を減らせる。一方で自動運転の車両が公道を走るのは難しい。搬送は人が運転する車両が担ったり、私有地で利用したりすることを想定する。自動化車両は土木工事や災害対応に利用できる。平時から運用する場があると緊急時に出動しやすく、維持コストを分散化できる。内閣府のムーンショット型研究開発事業で実施した。

日刊工業新聞 2023年02月23日

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