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大雪災害多発で出番、大原鉄工所が拡販する「雪上車」の実力

大雪災害多発で出番、大原鉄工所が拡販する「雪上車」の実力

雪上車の主力商品「Caliber」

大原鉄工所(新潟県長岡市、大原興人社長)は雪上車を拡販する。雪上車のユーザーは陸上自衛隊と自治体が主だったが、大雪で道路上の車が動けなくなり救出を求める事例が全国で多発。また電力会社の鉄塔などのインフラ老朽化が進む中、冬季も修理が必要なケースが増えている。こうした背景を踏まえ展示会で商品を訴求、高速道路管理会社や電力、通信会社などからの受注につなげる。展示会への出展計画を2023年5月期の3回に対し、24年5月期は5回以上に増やす。

雪上車の主力商品は「Caliber(キャリバー)」。第4次排出ガス規制に対応したエンジンを搭載する。登坂性を重視した幅広の履帯により、雪上を時速19キロメートルで走行可能で、人員も最大10人を輸送できる。排雪ブレードを前方に取り付ければ、大雪時も雪をかき分けて進める。

記録的な寒波に山間部の過疎化が加わり、大雪の度に多数台の車が立ち往生したり、集落が孤立して自衛隊に救援を求めたりする例が増えている。遭難者捜索やインフラ点検の手段として、近年は飛行ロボット(ドローン)も注目されるが、人や故障箇所を上空から発見できても救助・修理は現場に出向く必要がある。豪雪の際は地元在住者でも現場に行けないことが多く、雪上車の出番になる。

これまで22年10月の「危機管理産業展」や23年2月の「防災産業展」に出展した。「23年はさらに展示会出展を増やし、知名度を高める」(大原鉄工所)考えだ。

日刊工業新聞 2023年02月21日

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