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「脱炭素型園芸」実用化へ第一歩、栽培用自然エネ利用熱源システム実証

「脱炭素型園芸」実用化へ第一歩、栽培用自然エネ利用熱源システム実証

新たな潜熱蓄熱システムを説明する東北大多元研の丸岡助教

深松組(仙台市青葉区、深松努社長)と東北大学多元物質科学研究所は、温浴観光複合施設「アクアイグニス仙台」(仙台市若林区)敷地内の農業ハウスで新たな栽培用自然エネルギー利用熱源システムの実証試験を始めた。潜熱蓄熱システムの高度化技術と太陽熱利用を組み合わせた。化石燃料を用いないカーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)型の園芸施設の実用化を目指す。

具体的には、冬場でも効率の良い集熱が可能な太陽熱集熱パネルを用いた熱供給システムと東北大が開発した「凝固層剥ぎ取り型潜熱蓄熱システム」を組み合わせた。伝熱管を回転させる仕組みにより、表面の凝固層を常に剝ぎ取る新たな構造を採用し、従来と比べ100―200倍の伝熱速度の高度化を実現した。東北大多元研の丸岡伸洋助教は「実用化への第一歩を踏み出す」と今回の実証に意欲を示す。

今回のプロジェクトは深松組と東北大多元研の共同研究事業として取り組む。設備システム設計を東北開発コンサルタント(仙台市青葉区)が担う。アクアイグニス仙台を運営する仙台reborn(同若林区、深松努社長)も参画する。新システムを導入した農業ハウスでは、イチゴ栽培を予定しており、収穫後は同施設内のレストランなどへの提供を計画する。(仙台)

日刊工業新聞 2023年02月10日

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