ニュースイッチ

自動車メーカーの22年世界生産、トヨタは国内低調・海外は過去最高のなぜ?

乗用車メーカー8社が発表した2022年の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年比1・8%増の2397万886台となり、2年連続で前年実績を上回った。国内生産が半導体不足の影響で落ち込んだものの、海外生産の復調で補った。ただ、新型コロナウイルス感染症拡大前の19年の実績(2780万813台)とは400万台程度の差があり、回復はまだ道半ばだ。

国内生産は同0・1%減の738万6544台、国内販売は同4・6%減の383万8139台だった。国内生産・販売がともに前年を下回るのは4年連続。半導体不足や新型コロナ感染拡大による中国・上海のロックダウン(都市封鎖)で生産調整を強いられたことが響いた。海外生産は同2・6%増の1658万4342台。2年連続で前年を上回った。

トヨタ自動車は国内生産、販売ともに前年を大きく割り込んだ。国内生産は同7・7%減の265万6009台で、1975年以降で76年に次いで2番目に低くなった。「半導体を多く使う国内の高価格帯を中心に影響を大きく受けた」(同社)という。

海外生産は過去最高となる同11・7%増の637万704台だった。工場の能力増強などが奏功し、2年連続で前年を上回った。一方で日産自動車は5年連続、ホンダは4年連続で海外生産が前年を下回った。

22年12月単月の8社合計の世界生産は、前年同月比14・9%減の182万8656台だった。半導体不足や新型コロナ感染拡大が影響して日産、ホンダが同30%程度の落ち込みとなった。各社は生産の正常化に向けて、難しいかじ取りが続きそうだ。


【関連記事】 トヨタの世界戦略を支える強力な「日独連合企業」
日刊工業新聞 2023年01月31日

編集部のおすすめ