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消費電力20%削減、ロームが開発した車載ディスプレー向け「LEDドライバーIC」の性能

ロームは5―10数インチクラスの中・大型車載ディスプレーの液晶バックライト向けに、従来品より消費電力を削減できる発光ダイオード(LED)ドライバーIC(写真)を開発した。電源電圧が12ボルトで、1チャンネル当たりのLED回路電流が80ミリアンペアの一般的な仕様条件の場合、消費電力を従来品比約20%削減する。LEDの明暗を電流量で変えるDC調光、点灯時間(パルス幅)の長短で変えるPWM調光と2種類の調光機能を搭載。幅広い仕様に対応する。

新製品の消費税抜きのサンプル価格は900円。月産10万個体制で量産を始めた。

LEDドライバーICは、LEDの動作を制御する電力変換デバイス。ロームは中型車載ディスプレー向けに4チャンネルの同IC「BD83A04EFV―M」「BD83A14EFV―M」と大型車載ディスプレー向けに6チャンネルの同IC「BD82A26MUF―M」を開発した。電流制御回路での消費電力を抑制する独自技術により、IC全体の消費電力を約20%削減できることが特徴だ。

PWM調光には、低輝度から高輝度まで電流帰還モードの切り替えが発生しない独自のシームレスPWM調光方式を採用。ちらつき発生リスクを低減する。

先進運転支援システム(ADAS)の進化や、情報と娯楽を提供するインフォテインメントの多機能化に伴い、車載ディスプレーは大型化が進む。LEDドライバーICは定格出力電流の増加と消費電力低減の両立が求められている。

日刊工業新聞 2023年01月31日

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