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三菱ケミカルGと三井化学が共同物流の検討を始めた背景事情

三菱ケミカルグループと三井化学は、化学品物流の標準化・効率化に向けた共同検討を始めた。両社が生産拠点を持つ中京エリアでの共同輸送などについて2022年度内に検討し、段階的に実行する。人手不足や残業上限規制に伴う「物流の2024年問題」により深刻化する輸送・保管能力不足の課題の解決を図る。

四つのテーマについて検討を始める。具体的には、中京エリアで出荷製品を集約し、同エリア内や他エリアへの輸送を共同化する。このほか中小口貨物での両社の輸送ネットワークの相互活用、内航船の共同利用、輸送ルートのマッチングツールを活用した共同物流の拡大を検討する。将来は多数の企業とのマッチングへ広げる。

共同輸送のために必要なパレットサイズや外装表示などの標準化や、各社がどこからどこへ輸送するのかなどの情報を集約した基盤の構築などにも取り組む。標準化や情報基盤では内閣府のスマート物流サービスのプロジェクトの活動を通じ、国や自治体、業界団体などと連携する。

物流網のひっ迫した状況は、両社の事業運営にとって極めて重要な課題の一つ。特に24年4月から物流業界で時間外労働時間の上限規制が適用され、人手不足などは一層深刻化すると予想される。

共同輸送が増加すれば、温室効果ガスの排出量の削減にも貢献できる期待がある。


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日刊工業新聞 2023年01月30日

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