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半導体装置市場の冷え込み増す、3カ月連続で販売高前年割れの要因

半導体製造装置市場の冷え込みが増している。日本半導体製造装置協会(SEAJ、東京都千代田区、牛田一雄会長)がまとめた日本製半導体製造装置の12月の販売高(速報値、10―12月の3カ月平均)は、前月比8・6%減の3065億9600万円だった。3カ月連続のマイナスとなり、マイナス幅も11月より5ポイント以上拡大した。メモリー分野を中心に半導体メーカーが製造装置の投資を抑制する動きが広がっているほか、米国の対中輸出規制の強化も装置需要を押し下げる。

巣ごもり需要からの反動でスマートフォンやパソコンの販売が落ち込み、機器1台当たりの搭載量が多い記憶用メモリー半導体の需要が急減。先端ロジック(演算用)半導体も勢いが鈍化している。半導体メーカーやファブレスが投資を絞り込んだ結果、装置の需要も鈍化していると見られる。中国に対する米国の半導体輸出規制もマイナス材料。米国製装置を購入できない中国の半導体メーカーが日本メーカーの製造装置の発注を見直す状況が増えているもようだ。

SEAJは1月、2023年の製造装置販売高が4年ぶりに前年度を下回るとの予測を公表した。中期では大きな成長が期待できるが、23年前半は需要停滞が続くとしている。


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日刊工業新聞 2023年01月30日

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