アサヒの新社長は「直感力と直観力」で世界に打って出る

グループホールディングスは小路明善アサヒビール社長が3月末に昇格

 アサヒグループホールディングス(GHD)、泉谷直木社長(67)が会長に就き、後任にアサヒビール社長の小路明善氏(64)が就任するトップ人事を内定した。アサヒビール社長には同社の平野伸一副社長(60)が昇格する。3月の株主総会後に正式就任する。

「やさしくなければ生きていく資格がない」


 アサヒ飲料の立て直しに功績を挙げ、アサヒビール社長としてピンクの桜をデザインした缶ビールのスーパードライを発売、ヒットさせた。「繁盛店や成功事例を自分で見て回る」熱心さで「部下が出す提案をちょっと手直しするだけでは意味がない。社長には直感力、直観力の二つが重要だ」と強調する。

 世界最大手のインベブ主導で業界再編が進み、国内ではビールや発泡酒の酒税一本化がささやかれる。「いたずらに規模は拡大しない。被買収を避ける意味でも日本発、アサヒ発の強みが生かせる商品力を強化し、M&A(合併・買収)だけでなく、提携戦略も進めたい」と意欲を示す。

 座右の銘は米小説家のレイモンド・チャンドラーの「強くなければいけない、やさしくなければ生きていく資格がない」。部下の悩みに耳を傾ける度量の深さを重視する。趣味は映画鑑賞とギター。
(文=嶋田歩)

【略歴】
小路明善氏(こうじ・あきよし)75年(昭50)青山学院大法卒、同年アサヒビール入社。01年執行役員。03年アサヒ飲料常務、06年専務。07年アサヒビール常務、11年アサヒグループホールディングス取締役兼アサヒビール社長。長野県出身。


日刊工業新聞2016年2月10日3面から抜粋
日刊工業新聞電子版

明 豊

明 豊
02月11日
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記者になって最初に担当した業界が食品。その時、泉谷さんは広報の副部長くらいだった。泉谷さんとはかれこれ20年の付き合いになる。今回、泉谷さんが引き続きCEOを務めるので、1ー2年程度は小路さんが本格的にトップになる準備期間だろう。国内だけをみるとキリンが敵失した感もある。泉谷時代に海外戦略がうまくいったかといえばそうではない。以前に比べ中堅・若手社員は保守的になったといわれる。新体制でアグレッシブなアサヒをみたい。
それにしても最近は、社長がCEOのまま会長になるケースが多い。経営の「激変緩和措置」を市場も織り込んでいるのだろうか。

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