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【ディープテックを追え】人工脂肪で乳房再生!

#119 レナートサイエンス

既存の乳房再建には自身の組織や脂肪、人工乳房を移植する方法がある。一方で自己組織犠牲が大きかったり、定着率が低いなどの技術的課題がある。レナートサイエンス(京都市左京区)はポリL乳酸(PLLA)メッシュの中にコラーゲンスポンジに入れた人工脂肪でこれらの課題を解決する。長谷川雪憲代表は「安心安全な乳房形成方法を提供していきたい」と意気込む。

左がPLLAメッシュ
人工脂肪

同社は人工脂肪を人体に埋め込み、乳房を再生することを目指す。仕組みはこうだ。人工脂肪を埋め込み、形状的に乳房を再建する。その人工脂肪を足場にして自家脂肪が形成される。その後、人工脂肪が生体内に吸収され、自家脂肪に置き換わることで乳房が再建される。従来の自身の組織や脂肪を移植する方法よりも患者の負担を減らせる。一部で報告されているゲル充填人工乳房(インプラント)を挿入した患者で、特殊なリンパ腫が発生するといったリスクも回避できる。また同じ素材を使ったグンゼのコラーゲン使用人工皮膚が医療機器承認を取得していることから「安全性は高い」(長谷川代表)という。

長谷川代表

すでにラットやウサギの小・中型動物実験での検証を終了している。ウサギでは人工脂肪埋め込み後、形成された脂肪が2年後も維持された。現在はより大きいミニブタでの実験を滋賀医科大学とともに行っている。人工脂肪30個を一つにまとめて移植。脂肪形成は確認された。PLLAメッシュが圧壊すると脂肪分化しない課題があるため、PLLAメッシュを改良する。人での応用を視野に検証を進めていく。

2024年ごろに医師主導治験を始めたい考えだ。その後、企業主導治験を行い販売を目指す。販売価格は10万円から30万円程度を想定する。医師主導治験までは補助金や事業会社からの出資で事業を進める。その後ベンチャーキャピタル(VC)などから資金調達を行う考えだ。

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