乳児、言葉を覚える前でも色の種類を区別していることが判明
中央大など解明
中央大学人文科学研究所の楊嘉楽(ヨウカラク)客員研究員や同大学文学部の山口真美教授らの研究グループは、言葉を覚えていない乳児も緑や青といった色の種類の違いを区別することを突き止めた。乳児の頭にセンサーを装着し、血液中で脳の活動度を表すたんぱく質「ヘモグロビン」の濃度を測定。同じ緑系統の2色を見せた場合と比べ、色の種類が違う緑と青を見せた場合に同濃度が高くなることを確かめた。
これまでヒトは緑や青、赤といった言葉を覚えた段階で、色の種類を区別するようになるとされてきた。今後、乳児の好む色を使ったオモチャの開発などに生かせる可能性がある。
生後5―7カ月の乳児12人を対象に調査した。脳の活動が活発になると、酸素を運搬するヘモグロビンの濃度が高くなることに着目。乳児に異なる色を観察させた際のヘモグロビンの濃度を実験で確かめた。
耳の裏側にあり、色の種類を識別する脳の「後側頭領域」に着目。脳の表面を透過し血液中のヘモグロビンに吸収されやすい「近赤外光」を後側頭部から脳内に当て、吸収されずに反射し戻ってきた光の量を基にヘモグロビンの濃度を測った。
丸や四角などの図形の色が緑から青に変わる映像を見せた場合の方が、緑から別の緑に変わる映像を見せた場合よりもヘモグロビンの濃度が高まり、脳活動が活発になっていることが分かった。
日本女子大学人間社会学部の金沢創教授、東北大学電気通信研究所の栗木一郎准教授との共同研究。成果は9日、米国科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
これまでヒトは緑や青、赤といった言葉を覚えた段階で、色の種類を区別するようになるとされてきた。今後、乳児の好む色を使ったオモチャの開発などに生かせる可能性がある。
生後5―7カ月の乳児12人を対象に調査した。脳の活動が活発になると、酸素を運搬するヘモグロビンの濃度が高くなることに着目。乳児に異なる色を観察させた際のヘモグロビンの濃度を実験で確かめた。
耳の裏側にあり、色の種類を識別する脳の「後側頭領域」に着目。脳の表面を透過し血液中のヘモグロビンに吸収されやすい「近赤外光」を後側頭部から脳内に当て、吸収されずに反射し戻ってきた光の量を基にヘモグロビンの濃度を測った。
丸や四角などの図形の色が緑から青に変わる映像を見せた場合の方が、緑から別の緑に変わる映像を見せた場合よりもヘモグロビンの濃度が高まり、脳活動が活発になっていることが分かった。
日本女子大学人間社会学部の金沢創教授、東北大学電気通信研究所の栗木一郎准教授との共同研究。成果は9日、米国科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
日刊工業新聞2016年2月9日 科学技術・大学面