HALが脳卒中のリハビリ治験開始へ

保険適用拡大に期待

  • 0
  • 2
脳卒中治療への適用拡大なるか
 筑波大学は同大学発ベンチャーのサイバーダインと連携し、医療用ロボット「HAL」を脳卒中のリハビリ治療用として治験を始める方針を明らかにした。3月をめどに医薬品医療機器総合機構(PMDA、日本の審査機関)に治験計画届を提出する見込みだ。筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーに対して製造販売承認されている「HAL医療用下肢タイプ」をベース機器に使い、脳卒中治療への適応拡大を目指す。

 歩行が難しい慢性期(回復期)の脳卒中患者を対象とする。HALは、すでに脳卒中のリハビリ治療用としてスウェーデンのカロリンスカ研究所と、ドイツのベルクマンスハイル大学病院で臨床試験が行われている。

 HAL医療用下肢タイプは2015年11月に厚生労働省から製造販売承認を受け、16年1月には新規技術料としての保険適用が決まった。同製品が同じ原理で脳卒中治療に役立つと見て、適応拡大(すでに承認ずみの製品の治療対象疾患を増やすこと)につなげる。

 HAL医療用下肢タイプはALSや筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症など患者数の少ない難病向け。脳卒中では国内外に患者が多く、治験後に承認、発売されれば、数量の点でより本格的に医療現場にロボットが導入されることになる。

ALSや筋ジストロフィーでは保険適用が決定


 厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)は、サイバーダインのロボット「HAL医療用下肢タイプ」の保険適用を決めた。患者に装着するタイプのロボットとしては初めての保険適用となる。

 対象は筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーなどの難病患者で約3400人と推定する。患者の歩行機能改善などに役立てる。保険償還価格(一般的に製品価格のこと)は、医師の技術料として適用する。同技術料は今後、2016年度診療報酬改定の詳細な設定の中で決まり、4月から保険医療として利用が始まる見込み。

日刊工業新聞2016年1月29日/2月8日

COMMENT

政年佐貴惠
名古屋支社編集部
記者

海外での成果も合わせて脳卒中での治療効果が認められれば、より多くのニーズが出て事業拡大にもつながる。ただ高度なロボット技術が使われており価格も高いため、量産効果と保険料でどれだけの利益を稼げるのかは未知数だ。種類はさまざまだが、医療ロボットの事業モデルを探る好例にもなりそうだ。

関連する記事はこちら

特集