環境コンサルタントがやさしく解説する「人類は地球の大腸菌」!

TCO2代表「産業革命以前の1人の出すふんの量を1とすると現代はその数十倍」

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カーボンフットプリント認定製品だけで生活するCFPMAN
 TCO2という環境コンサルティング会社を立ち上げてから7年目を迎えたが、その旅の中で再確認したことがある。それは「環境問題とは、私たちが閉じた環境の一部であることにどう気がつき、認め、行動するのか」という至って当たり前のことだ。
 
 このような視点はフラーという人が「宇宙船地球号」という言葉で50年以上も前に紹介している。よく「自然と共生する」などと言うが、勘違いの元ではないかと思う。地球外へ自由に移動できない人類は、実質的に地球というホストのごく一部だ。

 誤解を恐れずに表現すれば、今の人類はまだ体外に出ると死滅してしまう腸内に生息する大腸菌ぐらいの存在なのに、「私たち大腸菌は人間と共生するべきなのだ」と主張している、少し滑稽な大腸菌を想像してみたい。地球温暖化問題は「急激に増殖した大腸菌(人類)が出すふん(CO2)がたまって、腸内環境(気候)が大幅に変わりそうで心配」といったところだろうか。

 産業革命以前の大腸菌たる1人の出すふんの量を1とすると、現代はその数十倍も出している。なぜこんなに増えてしまったのかといえば、製品という便利な道具を利用しているからだ。
 人は製品を作り、使い捨てるが、結局どの段階も同じ腸内であるし、そこでふんが出ればたまっていく。カーボンフットプリントは製品がその一生でおおよそ出すだろうふんの量で、「まずは出るふんの量を真面目に測った製品を応援しよう」といった取り組みだ。

 至ってまっとうなコンセプトだが、2011年時点で「カーボンフットプリント」という言葉を知っている人は、せいぜい20人に1人という状態だった。どんな良い内容でも伝わらなければ存在していないのと一緒だ。
 
 そこで、この状況を打開する試みとして、「カーボンフットプリント認定製品だけで1週間生きる」という番組を「エコが見える学校」で企画した。挑戦者はCFPMAN(Carbon Footprint of Products MAN)と名付けられ、残暑厳しい部屋で、限られた認定製品だけで生活する様子がUSTREAMで配信された。

 狙いは少しでもカーボンフットプリントやライフサイクル的思考を話題にし易くし、その言葉に触れる機会をつくること。結局、挑戦期間中に4000回程度視聴をされたという反響があり、関係者の知り合いぐらいに波及したかな、という感触は得られた。
 環境という複雑なテーマも笑いやドラマとして楽しく伝える「環境エンターテインメント」という分野が開拓されていけば、少しずつ状況が変わるのではないかと願っている。素人味たっぷりの番組だが、当時の様子を動画としてアップしているので、CFPMANで検索、視聴してもらいたい。
<筆者=TCO2代表取締役・正畠宏一氏>
※日刊工業新聞では毎週水曜日に『楽しさ届け!「エコが見える学校」のとりくみ』を連載しています。

日刊工業新聞2015年04月22日 ひと&会社面

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

正畠氏が指摘するように「環境問題は閉じた環境の一部」で、問題意識を広めるためにもエンターテイメントの要素を持ち込むのはよいこと。

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