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EV用「モーターコア」需要の拡大狙う、ムラタ溶研が新装置

EV用「モーターコア」需要の拡大狙う、ムラタ溶研が新装置

ムラタ溶研のEVモーターコアのプレスラインに使う、材料幅500ミリメートル対応の自動接合装置

ムラタ溶研(大阪市淀川区、村田倫之介社長)は、電気自動車(EV)用車載モーターの中核部品「モーターコア」のプレスラインに付属する接合装置を開発した。幅500ミリメートルの帯状金属薄板(フープ材)を自動接合でき、同材料の交換作業を効率化した。従来は同400ミリメートル対応までで、材料を有効利用できる広幅化に対応。消費税抜きの価格は1500万円。自動車部品メーカーに2023年1月に納入が決定、年10台の販売を目指す。

ムラタ溶研の接合装置「フープウェルダー」の新製品。プレスライン運転時は後方で待機し、材料交換時に専用レール上を前進し材料幅に応じた最適位置で自動停止する。材料をセットして切断、独自機構「狭窄(きょうさく)パルスTIG溶接法」と専用プログラムで高品質の突き合わせ接合が行える。材料交換時のライン停止時間は、従来の1時間強から同装置で30分以内を実現可能という。

メンテナンスのしやすさも考慮し、接合時の位置合わせに使うセンタープレートの交換を手動からエアチャックに変更しワンタッチで脱着できる。接合する材料は厚さ0・15ミリ―0・6ミリメートルのケイ素鋼板に対応した。

同社では「EV市場の成長でモーターコア需要が拡大しており、当社も生産性向上を図れる装置で協力していく」(村田彰久会長)とする。

日刊工業新聞 2022年12月26日

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