昭和電線ケーブルシステムが開発、EV向け車載バスバー用平角線の機能
昭和電線ケーブルシステム(川崎市川崎区、川瀬幸雄社長)は、電気自動車(EV)向けの車載バスバー(電池やモーターなどをつないで電気を流す部品)用に、被覆付きの平角線を開発した。加工性や導電性、溶接性などに優れる独自の高機能無酸素銅「ミディップ」を採用。電気配線の主流である高圧ハーネスと比べて省スペースになるほか、組み立て工程の削減や自動化にも貢献する。2025年ごろの市場投入を目指す。
EVは大容量電池などの搭載で車載スペースが限られる中、新製品は薄型の配線を可能にし、他の電気部品のための空間を確保できる。また従来のケーブルより正確な成形を実現する。放熱性に優れ、同じ断面積のケーブルより最大15%多くの電力を供給する。
高圧ハーネスは組み立て時に手作業で取り付けるが、バスバーは形状が固定されているためロボットで配置することも可能。工程を自動化することで現場の作業を軽減できる。
バスバーは曲げ加工で生産することで、従来の金型によるプレス加工で出ていた銅材ロスの削減にもつなげる。本格的な市場参入に向けて製品の改良を進める。
日刊工業新聞 2022年12月26日