パナソニック、監視カメラでシステムもデバイスも攻める

五輪商戦にらむ。センサーは車載にも展開

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ヘッドマウント型の監視カメラ
パナソニックはウエアラブルカメラやスマートフォンなどを装備した警備員や監視カメラを集中管理するセキュリティーシステムを公開した。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたシステムとして空港、駅、大型商業施設などへ提案する。16年度中にも実証試験を始める。

ウエアラブルカメラは小型ディスプレー、骨伝導ヘッドホンなどと一体化したヘッドマウント型も開発した。施設内に配置した無線標識(ビーコン)とスマホで警備員の位置を把握し、不審物の確認などの指示をメールや音声で送る。警備員のカメラを通じて現場の様子をリアルタイムに把握できる。

暗所でも鮮明動画を撮像できるイメージセンサー開発


 パナソニックは星明かり程度の照度0・01ルクスの暗さでも、色再現性が高く鮮明なハイビジョンカラー動画が撮像できる相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサーを開発した。夜間でもカラー撮像でき、監視や車載、ロボット向けカメラなどの用途を想定している。トンネル出入り口など明暗差が大きい場所では、暗い部分も含めて鮮明に記録できる機能も載せた。2018年度に実用化する。

 イメージセンサーは被写体から得た光情報を電気信号に変え、撮像画像を出力するデバイス。開発品は光電変換で発生する光電子を1万倍まで増倍する機能で、わずかな光でも出力信号を高められる。光電子は明るい環境では数万個得られるが暗いと数個程度。光電子量を増倍し、鮮明なカラー画像にする。

 イメージセンサーへの増倍機能搭載は業界初。従来品は月明かり程度の同0・1ルクスの撮像までが主流で、監視カメラの夜間撮像は補助光に近赤外光などを使う白黒映像が多い。犯罪事件で有力な手がかりとなる容疑者の衣服の色などの情報が得にくかったという。

 他社品で夜間でもカラー撮像できるイメージセンサーはある。だがソフトウエア処理でカラー化するため、色再現性で課題があった。

 監視カメラ市場は拡大傾向。パナソニックは監視カメラ世界シェア4位で、国内でも約6割のシェアを持つとみられる。鮮明カラー化技術による差別化で事業拡大を進める。

 車載カメラでは、暗所のカラー撮像で走行時の危険判別向上が見込める。開発品は明暗差の大きい場所を収めると、明るい部分の光電子はそのまま出力して、暗い部分のみを増倍する。明暗差のある場所で、人の目のフォローも期待できる。

日刊工業新聞2016年2月3日/5日

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

国内の監視カメラ市場は、17年に13年比3割増の約900億円に拡大すると予想される。パナソニックの国内市場のシェアは約6割。一方、三菱電機は簡易に設置できる無線型の監視カメラシステムを16年度に事業化する。有線LANを敷設する必要がなく、カメラを設置するだけで映像データを携帯端末に伝送し監視できるシステムで、広範な監視ネットワークが要求される五輪会場で活用を見込む。そのほか日立製作所は五輪向けに活用できるシステムとして、指静脈認証や監視カメラなどのソリューションを用意。監視カメラに強いソニーも昨年夏に4K対応カメラを投入している。

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