太陽電池パネル大量廃棄時代に強い味方、リサイクル効率化する新技術の中身
新虎興産が開発
新虎興産(大阪市西区、木村高士社長)は、太陽電池のセルとカバーガラスを、超高圧で水を噴射するウオータージェットで分離する技術を開発した。カバーガラスを原形サイズのまま剝離でき、より効率的な太陽電池リサイクルにつながる。同社は太陽電池パネルの大量廃棄が予想される5年後ごろの事業化を目指し、ウオータージェット装置メーカーのスギノマシン(富山県滑川市)と共同で自動化装置を開発する。
新技術では、太陽電池パネルの裏面から高圧水を噴射して電池セルだけを粉砕し、硬度の高いカバーガラスは破砕せず残す。セルに含まれる鉛やセレン、カドミウムなどの有害物質を除去でき、ガラスをリサイクル利用しやすくなる。新虎興産では今後、あらゆる太陽電池メーカーのパネルに対応できるように試験を続けながら、自動化装置の開発を進める。またカバーガラスのリユース先などについても模索していく。
太陽電池の寿命は20―30年。国内では2036年に17万―28万トンが廃棄されると予想されており、リサイクル事業への参入を狙う。
同社はウオータージェット工法で劣化したコンクリートの破砕や有害な塗膜の除去、火災リスクのある現場での鋼材切断などを手がけている。
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日刊工業新聞 2022年12月23日