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CO2からSAF合成で世界トップ水準達成、IHIが水素収率26%を実現

IHIはシンガポール科学技術研究庁傘下の研究機関である化学・エネルギー・環境サステナビリティー研究所(ISCE)と共同で、持続可能な航空燃料(SAF)合成のための触媒反応試験で、26%の液体炭化水素収率を確認した。触媒の性能を記述する指標で、IHIによると世界トップレベル。触媒開発を継続してさらに収率を高め、早期の商用化を目指す。

ISCEとは2022年度に共同研究を開始。二酸化炭素(CO2)を原料にした低級オレフィン合成の開発経験を基に、人工知能(AI)の一種である機械学習を活用して触媒組成・反応条件などの試験条件を効率的に探索・調整し、高性能の触媒を開発した。

この触媒でCO2と水素を直接反応させ、炭素数5以上の液体炭化水素の収率26%を確認した。収率は、反応器に投入したCO2に含まれる炭素のうち、目的の炭化水素に変換された炭素の割合。

触媒組成・反応条件を最適化してさらに高い収率を目指す。反応器やプロセス開発を並行して進め、早期の商用化につなげる。

日刊工業新聞 2022年12月21日

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