次なる「航空宇宙」人材育成!新授業展開する岐阜県立岐阜工業高校

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機械化の生徒が課題研究の一環で飛行機のプロペラを製作する
 岐阜県立岐阜工業高校は2015年に創立90周年を迎えた伝統校。8学科9クラスをかかえる大規模校だ。岐阜県における工業教育のフラッグシップ校として「満足度日本一の工業高校」(永井政義校長)を目指している。

 全国工業高等学校長協会が主催する「ジュニアマイスター顕彰」では14年度に、電子科と機械科を中心に10人が特別表彰を受けた。15年開催の技能五輪全国大会には「メカトロニクス」と「電子機器組立て」競技に4選手が出場。生徒のモノづくりの技能は、高いレベルを誇る。
 
 永井校長が「学校のシンボルになる」と期待するのが、機械科で16年度から始める航空宇宙産業に必要な技術を学ぶ授業。中部地区は航空宇宙産業の集積地。県内に製造拠点を構える川崎重工業など航空宇宙関連企業に就職する卒業生も多い。

 授業内容は企業の協力を得て作成する。16年度は希望者を中心に一部始める。従来から取り組む技術をベースに、びょう打ちや艤装(ぎそう)など航空宇宙産業で必要な技能を学ぶ。授業の本格運用後は生徒が部品をCADで設計してマシニングセンター(MC)で加工し、検査まで行うといった一連の工程を網羅する考えだ。 

 航空機産業が成長産業となる中、企業にとって次世代を担う技術者確保は大きな課題。永井校長は「優秀な技術者を送り出したい」と力を込める。授業開始にあたり、16年度に実習室を改修する。新たなMCや炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の強度検査ができる機器、空圧工具などもそろえる。

 精度要求の高い航空宇宙産業向けの取り組みで、既存の実習レベルが向上する相乗効果も期待する。生徒の技能レベルを一層高め、自動車や金型業界など幅広い分野で活躍できる人材の育成につなげる。
(文=岐阜支局長・伊藤吉登)

【DATA】
▽校長=永井政義氏
▽所在地=岐阜県笠松町
▽学科構成(全日制)=機械科、電子機械科、電気科、電子科、建設工学科、設備システム科、デザイン工学科、化学技術科
▽総定員1080人(全日制)
▽主要設備=旋盤、フライス盤、マシニングセンター、CAD/CAM、FMS実習装置
▽主な進路=トヨタ自動車、デンソー、川崎重工業、イビデン、JR東海、岐阜大学、豊橋技術科学大学、名城大学など

日刊工業新聞2016年2月5日 中小企業・地域経済2面

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

この地域では航空宇宙産業の底上げを産官学一丸となって取り組んでいます。生産拠点が近くにあって実際に作っている様子を身近に感じられれば、学生たちの学ぶモチベーションも大きく変わってきます。レベルの高いモノづくり技能に反映されているように思います。

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