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パワー半導体生産能力2.5倍、半導体受託製造のJSファンダリが新潟に8インチライン新設

パワー半導体生産能力2.5倍、半導体受託製造のJSファンダリが新潟に8インチライン新設

GaN製パワー半導体生産も、半導体受託製造のJSファンダリが新潟に8インチライン新設

JSファンダリ(東京都港区、岡田憲明社長)は、米オンセミから買収した新潟工場(新潟県小千谷市)に8インチウエハーに対応するパワー半導体生産ラインを新設し、2024年夏にも稼働する。既存の6インチラインよりも生産効率が高く、車載や家電のほか、データセンターといった産業機器向けの需要に対応する。25年には6インチラインを転用し、窒化ガリウム(GaN)製パワー半導体の生産も始める。総投資額は百数十億円規模とみられる。

8インチラインの稼働により工場全体の生産能力は現状比2・5倍に増える。新潟工場は現在、既存の6インチラインでオンセミ向けの生産を続けており、生産能力の半分程度が埋まっている。JSファンダリとして始めた新規顧客への営業活動が順調に進んでおり、23年度末頃に工場はフル稼働となる見通しだ。

新たに導入する8インチラインは23年末から24年春にかけて設備が入り、24年夏から25年にかけて順次稼働する計画。8インチラインは2期目についても27年頃の稼働を視野に計画を検討している。

GaN製のパワー半導体は高速スイッチング性能に優れ、第6世代通信(6G)といった次世代高速通信用の需要などを見込む。8インチラインが増えるのに伴って、相対的に生産効率が低下する6インチラインをGaN製造に転用し、付加価値を高める。GaN向けで不足する設備などを補って、25年の生産開始を目指す。

JSファンダリは投資ファンドのマーキュリアインベストメントや産業創成アドバイザリーなどが出資して設立したアナログ・パワー半導体の受託製造会社(ファウンドリー)。新潟工場は旧三洋電機の工場で11年にオンセミが買収したが、固定費の削減などを理由に1日付でJSファンダリに売却した。


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日刊工業新聞 2022年12月14日

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