「海外メーカーに白物家電事業を売却する可能性がある」(東芝社長)
医療機器の売却額は5000億円超に。「報道されているレンジよりは少し高めになりそうだ」
東芝の業績悪化が深刻化している。止血するには不採算事業の白物家電とテレビ、パソコンの3分野で大胆な構造改革が不可欠だ。室町正志社長は4日の会見で「白物家電とパソコン事業は2月末までに方向性を示したい」と述べた。ただ事業再編は相手との交渉もあるため実現性は不透明。早期に決断できるのかトップの胆力が問われる。
白物家電はシャープとの事業統合案が有力だが、室町社長は「まだ詳細を話せる段階ではない」と述べるにとどめた。シャープの経営再建の進捗によって方向性が変わる可能性があり、交渉が難航しているようだ。
シャープとの事業統合が成立しなかった場合について、室町社長は「海外メーカーに白物家電事業を売却する可能性がある」との考えを示唆。事業売却については「マイノリティー(少数株主)になる」とし、東芝が白物の経営に肩入れしない意向を示した。
パソコン事業は海外メーカーも選択肢に入れていたものの、現在は日本メーカーに絞って売却交渉を進めていることを明らかにした。具体的な条件を詰めている段階ではないが、「東芝としては全て引き取ってもらいたいと主張している」(室町社長)。ただ、交渉相手とされる富士通をはじめ、日本メーカーにはそこまでの体力はない。早期の事業切り離しを優先すれば、事業の一部を残すことも避けられない状況だ。
唯一、順調に売却交渉が進んでいるのがメディカル事業。1次入札を終え「相手を相当絞り込んで2次入札に移行する」(同)という。売却額は「報道されているレンジよりは少し高めになりそうだ」(同)とし、5000億円を超える規模になる可能性がある。
白物家電はシャープとの事業統合案が有力だが、室町社長は「まだ詳細を話せる段階ではない」と述べるにとどめた。シャープの経営再建の進捗によって方向性が変わる可能性があり、交渉が難航しているようだ。
シャープとの事業統合が成立しなかった場合について、室町社長は「海外メーカーに白物家電事業を売却する可能性がある」との考えを示唆。事業売却については「マイノリティー(少数株主)になる」とし、東芝が白物の経営に肩入れしない意向を示した。
パソコン事業は海外メーカーも選択肢に入れていたものの、現在は日本メーカーに絞って売却交渉を進めていることを明らかにした。具体的な条件を詰めている段階ではないが、「東芝としては全て引き取ってもらいたいと主張している」(室町社長)。ただ、交渉相手とされる富士通をはじめ、日本メーカーにはそこまでの体力はない。早期の事業切り離しを優先すれば、事業の一部を残すことも避けられない状況だ。
唯一、順調に売却交渉が進んでいるのがメディカル事業。1次入札を終え「相手を相当絞り込んで2次入札に移行する」(同)という。売却額は「報道されているレンジよりは少し高めになりそうだ」(同)とし、5000億円を超える規模になる可能性がある。
日刊工業新聞社2016年2月5日3面