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運輸・情報通信・建設…拡大する倒産、響く「三重苦」

帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が8日発表した11月の倒産件数は、TDBが前年同月比21・8%増の570件、TSRが同13・9%増の581件だった。TDBは7カ月連続で、TSRは8カ月連続で前年同月を上回った。コロナ禍による企業活動の停滞に加え、円安・物価高・人手不足の「三重苦」が響いている。

負債総額はTDBが同57・8%増の1286億2700万円、TSRが同22・8%増の1155億8900万円だった。負債額5000万円未満の中小零細規模で大幅増となった。業種別では製造業がTDBで同25・0%増の70件、TSRが同7・8%増の69件だった。人手不足が深刻な運輸業や情報通信業、建設業で厳しい状況が続く。川上のメーカーと川下の小売業者の板挟みで価格転嫁問題に直面する「卸売業」も倒産が加速している。

TDBによると、2022年通年の倒産件数は3年ぶりに前年(6015件)を上回り、6300件台で着地する見通し。年間8000件台の発生が続いたコロナ禍前の15―19年と比べると、「依然として歴史的な低水準であることに変わりない」(TDB)としている。

23年はコロナ融資の返済本格化と値上げの動向が注視すべきポイントとなる。

日刊工業新聞 2022年12月09日

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