データセンター、首都圏よりも地方で増える?

五輪絡みの建設コスト増を回避

  • 0
  • 0
現在設置されているDCは1990年代に竣工した建物が最も多く、全体の42・9%を占めた
 IDCジャパン(東京都千代田区、竹内正人社長、03・3556・4760)がまとめた2019年末の国内データセンター(DC)動向予測によると、通信事業者やITベンダー、クラウド事業者が所有する「事業者DC」の延べ床面積は14年末に比べ15%増の約222万平方メートルに拡大する。企業のクラウドサービスやITのアウトソーシングで利用拡大が見込まれるため。一方、20年の東京オリンピック・パラリンピック開催で顕在化している建設労働者の不足でDCの建設コストが上昇。その対応が必要になるとみている。
 
 【拠点数は減少】
 14年末の国内DCの拠点数は8万2238カ所だった。このうち事業者DCが599カ所、延べ床面積は192万平方メートル。残りの大部分を占める8万1639カ所は金融機関や官公庁、一般企業が所有する「企業内DC」で、延べ面積が10平方メートル未満の小規模DCが半分以上を占めた。

 19年末の国内DCの拠点数は、14年末に比べ16%減の6万8811カ所と予測。ITインフラの統合が進み、小規模なDCや老朽化したDCが、大型で最新設備を備えるDC統合されるためと分析した。このうち事業者DCの延べ床面積は増える見込みで、企業内DCは延べ床面積の減少傾向が続くとしている。

 【老朽化進む】
 現在設置されているDCの竣工(しゅんこう)年別では90年代に竣工した建物が最も多く、全体の42・9%を占めた。90年代に建設された「インテリジェントビル」と呼ばれるオフィスビルが今も使われているケースが多いという。そのため今後、築後25年を迎えるところが増えることから、「電力供給能力不足や設備運用効率の低下といった、設備の老朽化が課題となる可能性がある」(IDCジャパン)と見ている。

 【コンサルに力】
 さらに、最近では20年の東京五輪開催を背景とした五輪会場の建設や、都市の再開発プロジェクト、インフラ整備案件などが活発化しており、国内の建設労働者不足や資材の調達難から建設コストが上昇している。この影響から老朽化したDCの廃止やDC新設のコストが上昇し、DC事業者の投資負担が増大するといった課題を抱える。こうしたことから、DC設備事業者は「既存DCの電源増強ソリューションのほか、老朽化DCの統合や最適化に向けたコンサルティングに力を注ぐべきだ」(同)としている。

 国内DCの建設地は首都圏より地方で増えるとの見方が一般的だ。首都圏は土地代が高い上、東京五輪で建設コストの上昇が避けられない。ただ、19―20年になると、東京五輪の“建設特需”が終息する。このため、投資を手控えていた大手企業を中心に、法人などの需要が見込まれる“首都圏回帰”の動きが出てくるとみられる。

日刊工業新聞2015年04月21日 電機・電子部品・情報・通信面

COMMENT

斉藤陽一
編集局第一産業部
デスク

 そういえばデータセンターを地下深くに建設する動きがかつて盛り上がった記憶がありますが、その後も進んでいるのでしょうか。

関連する記事はこちら

特集