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ホンダ、戦略転換。国内生産の回帰を優先し輸出倍増へ

16年度の4輪車は16万台に
 ホンダは2016年度の4輪車の輸出台数を前期比約2倍の16万台に拡大する。海外生産から国内生産に移管した欧米向けの主力小型車が、輸出増をけん引する。ホンダの国内生産は、輸出を減らす方針が響いて低迷しており輸出増で国内生産の立て直しを急ぐ。

 昨年、欧州向けと北米向けの小型車「フィット」の生産を寄居工場(埼玉県寄居町)で始めた。15年度の輸出台数は8万台程度となる見通し。フィットの生産が16年度を通して好調で、輸出拡大をけん引する。

 北米向けの主力「アコード」のハイブリッド車(HV)の生産も狭山工場(埼玉県狭山市)で始め、輸出増を後押しする。北米向けのアコードHVは米国のメアリズビル工場で生産するが日本に移管する。

 ホンダは輸出を減らす方針をとってきたが国内生産が低迷していることから一転、輸出の拡大を進めている。円安を受けて輸出がしやすい環境が整ってきたことも背景にある。
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日刊工業新聞2016年2月2日1面記事から抜粋
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
ホンダは日本だけでなくグローバルで生産能力が過剰になっており、各国の生産能力を補完し合う最適生産が大きな経営課題。国内生産の優先はサプライヤーへの配慮もあるだろう。トヨタの生産停止に関連するが、サプライチェーンを改めて見直す時期でもある。

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