空港来場者の行動・属性を可視化するシステム投入、トヨタ系部品メーカーが生かしたノウハウ
トヨタ紡織は、空港施設などを訪れる来場者の行動や属性を可視化するシステムの提供に乗り出した。1日から中部国際空港(愛知県常滑市)向けに分析したデータなどの提供を始めた。センサーで集めた施設の来訪者の行動を分析することで、顧客サービスの向上や入居するテナントの収益アップなど付加価値の高い空間の創出につなげる。他の空港やスマートシティー(次世代環境都市)などにも提案し、拡販を目指す。
トヨタ紡織が開発したシステムは空港内のWi―Fi(ワイファイ)パケットセンサーや人数カウントセンサー、属性認識センサーなどを活用する。プライバシーに配慮しながらセンサーで取得したデータを豊田中央研究所(愛知県長久手市)と開発したアルゴリズムで処理し、来場目的や滞在時間、人数、性別などを把握する。データは分析や加工がしやすいように見える化して中部国際空港に提供する。
トヨタ紡織がデータの分析・提供サービスを手がけるのは初めて。運転者の緊張緩和や眠気を防止する自動車用シートの開発を進めており、ここで培ったノウハウを大型施設向けに転用した。
日刊工業新聞 2022年11月07日