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東大が膵がんの「悪液質」解明、副作用予防・緩和に期待

東京大学の藤城光弘教授らは、膵がんになると全身の脂肪や筋肉が萎縮して体重が極端に減少する「悪液質」になる機構の一端を明らかにした。血液中の膵がん由来の細胞外小胞だけを単離して解析する方法を開発。膵がんから血液中に放出される細胞外小胞が脂肪細胞と接着しやすい分子を持つことで、脂肪分解を引き起こすことが分かった。がんの副作用などに対する予防や緩和に向けた治療法の確立につながると期待される。成果は、医学系の国際科学誌電子版に掲載された。

がんから血液中に放出される細胞外小胞の特徴を解析。膵がん由来の細胞外小胞は、有意に脂肪細胞を分解することが分かった。より詳細な分子機構を見ると膵がん由来の細胞外小胞の表面に数種類の接着因子が高発現しており、脂肪細胞ががん細胞表面に接着することが分解に重要であることが示された。

進行したがんの患者には悪液質の症候が見られる。だが膵がんでは小さながん病巣であっても体重減少が起きることが知られているが、その機構は解明されていなかった。

日刊工業新聞 2022年11月04日

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