アップルが新しい無線給電を開発中、2017年にもiPhone/iPadに採用か

1m離れた場所からバッテリー充電可能に、ブルームバーグ報道

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現在販売されているApple Watch磁気充電ドック(アップルのウェブサイトから)
 アップルがiPhoneやiPadなどのiOS端末向けに、新しいワイヤレス給電技術を開発しているとブルームバーグが29日に報じた。充電用パッドに端末を置いて充電する一般的なやり方ではなく、充電器から少し離れた場所にある端末を無線で充電する手法が想定されるとしている。

 関係者の話として伝えたもので、早ければ2017年にも製品に搭載される見通し。この件について、アップルの広報担当者はコメントを辞退した。

 スマートフォンなどのワイヤレス充電では、電磁誘導によるQi(チー)などの国際標準規格がすでに存在し、普及が進んでいる。それとは違い、アップルが米国およびアジアのパートナーと共同開発中とされる新技術は、アップルが2010年に米国特許商標庁(USPTO)に申請し、2015年に登録された特許がベースになるとみられている。

 この特許のコンセプトは、iMacのようなパソコンをワイヤレス給電のハブとし、近接磁気共鳴(NFMR)という手法を使って、約1m以内にあるモバイル端末のバッテリーを充電するというもの。これとは別にアップルは、電子機器のアルミニウムケースに通信用アンテナを多量に配置し、金属による電波干渉を抑えながら無線電波を取得しやすくする特許も2015月12月に取得している。

 磁気共鳴は、Qiなどに採用されている電磁誘導とは原理が異なる。給電側のコイルに電流を流すことで発生させた磁場の振動を、同じ周波数で共振する受電側の回路に伝え、そのコイルに電流が流れる仕組みだ。

 電磁誘導での給電距離が数mmからせいぜい10cm程度なのに対し、磁気共鳴では長距離での伝送ができるのが特徴。さらに電磁誘導はコイルの軸の位置を合わせるため、給電側と受電側の向きをそろえる必要があるが、磁気共鳴は向きを気にせず距離さえ合っていればいいため、設計や利用の自由度が高い利点がある。

 一方で、昨年発売したApple Watchも多くのアンドロイドスマートフォンと同様、電磁誘導を使い、充電パッドに接触させる形のワイヤレス給電を採用している。このほか、今年発表される次期iPhoneでもワイヤレス給電の採用が噂されているが、やはり従来手法になるものとみられている。

ニュースイッチオリジナル

COMMENT

藤元正
モノづくり日本会議実行委員会

米マサチューセッツ工科大学(MIT)が2007年に発表した論文によれば、2mの距離だと磁気共鳴の伝送効率が40%、1mの場合には90%になるということです。それだけ見ると、離れた場所からのモバイル機器へのエネルギー伝送が十分実用化できそうですが、果たして報道通り、アップルが製品化するかどうか。

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