グラフェン・CNT複合、物材機構発ベンチャーが開発した次世代材料の狙い
マテリアルイノベーションつくば(MIつくば、茨城県つくば市、佐久間一浩社長)は、グラフェンとカーボンナノチューブ(CNT)を複合した薄膜材料「ジーミット」を発売した。グラフェンの持つ優れた導電性などを安定して発揮できる次世代材料として、電極材料やセンサー材料への応用を提案する。
ジーミットを含んだ試薬を東京化成工業(東京都中央区)を通じて販売する。消費税抜きの価格は容量100ミリグラムで7000円から。
グラフェンは1層が0・3ナノメートル(ナノは10億分の1)と極めて薄いシート材料。ジーミットは2層のグラフェンの間にCNTを挟み込んだ構造を持つ。機能発現に重要なグラフェンの表面同士が互いに離れた状態を保てるため、導電性などの特性を長期間維持できると期待される。
MIつくばは物質・材料研究機構発のベンチャー。グラフェン材料の量産技術の開発を手がけ、高速・高出力で電気を取り出せる次世代キャパシターの電極材料などへの応用を目指している。
ジーミットはその要素技術として開発したもの。広く一般に提供していくことで、グラフェンの新たな用途開拓に結びつける狙いがある。
日刊工業新聞 2022年10月31日