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M&A継続する半導体・電子部品商社、レスターHDのグループ戦略

半導体・電子部品などを扱う商社のレスターホールディングス(HD)は、2019年4月に誕生した。UKCHDとバイテックHDが経営統合して発足。提携やM&A(合併・買収)などを通じ、事業基盤の強化や事業拡大を図る。連結対象子会社は47社(9月12日時点)。二島進常務執行役員は、「グループ全体でシナジーを出し、企業価値を上げたい」と目標を語る。

UKCHDとバイテックHDは、ともにソニー製の半導体・電子部品を扱う特約店。親和性があった点が統合の決め手となった。

レスターHD発足後、資本業務提携や協業そしてM&Aを進めている。21年には半導体事業などを手がけるPALTEK(パルテック)を子会社化した。

子会社化の理由の一つは、同社がプログラミング可能な集積回路(FPGA)を扱っているためだ。「パルテックを子会社化する前は、FPGAの取り扱いがほぼなかった」(二島氏)といい、商材の補強につながった。

さらに、異なる顧客層に商材を提案できる点もメリットとなった。子会社化する前のレスターHDは民生機器向けを強みとしていたが、パルテックは産業機器や通信分野を得意としていたためだ。

ほかにも、レスターHD子会社のレスターエレクトロニクスがパルテックとマーケティング活動を実施するなど、「少しずつビジネスシナジーが出つつあるのではないか」(同)と分析する。

半導体や電子部品を扱うデバイス事業以外でも事業拡大に動く。例えばキャッシュレス決済端末などを扱うシステム機器事業では、カードサービス(東京都中央区)を子会社化した。9日には、システム機器事業の一段の強化・拡大のため、レスターキャステックとカードサービスを合併する方針を発表した。

「M&Aは重要な戦略の一つ」(同)と今後も継続する姿勢を示し、「足りない部分を補い、強みを強化していきたい」(同)とグループ経営における戦略を話す。

日刊工業新聞2022年9月22日

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