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可愛くて役に立つ、有機米栽培を支える「アイガモロボ」の機能

井関農機が開発
可愛くて役に立つ、有機米栽培を支える「アイガモロボ」の機能

500台の販売を目指すアイガモロボ

井関農機は水稲用自動抑草ロボット「アイガモロボ」で、2023年に計500台の販売を目指す。同ロボットは有機米デザイン(東京都小金井市)が開発し、井関農機は6月に同社に資本参加している。有機農業への関心が高まる中、中山間地などの小規模農家だけでなく大規模水田を手がける大手農業法人からも同ロボットの引き合いが増えている。有機米は一般栽培のコメより高付加価値で多収入が見込めるため、戦略事業に育成する。

有機米は一般米より数割高い値段で売れるが、除草に手間がかかるのが課題。アイガモロボは太陽光発電パネルを動力源とし、全地球測位システム(GPS)と連動した専用アプリケーションで水田内を自動走行する。

底面のスクリュー機構で水中を撹拌しつつ地表面の泥を巻き上げ、日光を遮ることでカヤツリグサなどの雑草の成長を抑制する。実証実験で抑草効果を確認済みで、農業・食品産業技術総合研究機構と共同で抑制メカニズムの研究を進めている。

消費税抜きの価格は50万1000円に設定。「レンタル販売ではなく、直接販売で進める」(縄田幸夫井関農機取締役常務執行役員)考えだ。田植え機やコンバインに比べて、アイガモロボは水田内での稼働日数が長いため、コスト削減効果をPRすれば直接販売でも需要は期待できるとみている。


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日刊工業新聞2022年10月20日

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