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新たな再生可能エネに…阪大など「逆電気透析膜」で世界最高レベルの発電性能

大阪大学の筒井真楠准教授と川合知二招聘(しょうへい)教授、産業技術総合研究所の横田一道研究員らは、高性能逆電気透析膜を開発した。多孔膜で隔てた塩濃度の差を利用して数ナノワット(ナノは10億分の1)の電力を得る。再生可能エネルギーになる可能性があるという。

逆電気透析では塩濃度の差を電力に変換する。窒化シリコンの膜に微細な孔を開け、塩化ナトリウム水溶液のナトリウムイオンのみを通過させる。

10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)四方の狭い領域に直径0・1マイクロメートルの微細孔を4個から400個開けて発電力を計測した。すると100個以上孔を集積させると発電力が下がった。

孔と孔の間で干渉が起き、孔付近の塩濃度が緩慢に分布してイオンの拡散が弱まると考えられる。

最適配置では1平方メートル当たり100ワットになった。これは世界最高レベルになる。微細孔一つでは同100万ワットの発電性能が得られており、孔の集積化と性能低下抑制が求められていた。

日刊工業新聞2022年10月19日

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