ヤマハ発、2輪車から生まれた成膜技術を外部に売ります!

500度C以上の高温耐性。輸送機器だけでなく家電、太陽光など応用分野広く

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新技術が採用された大型バイク(右手に持っているのは、技術を応用したカクテルシェーカー)
 ヤマハ発動機は、2輪車用マフラーから生まれた独自技術「ナノ膜コーティング技術」を同業他社や異業種に技術供与する。500度C以上の高温に耐える無色透明の成膜技術は世界初という。すでに他の2輪車メーカーや自動車メーカーから引き合いがあるほか、太陽光パネルなど幅広い用途へ拡大していく。

 マフラーは内側から高温の排ガスに、外側は風雨にさらされる。このため、車体と比べ酸化による錆(さび)や変色など劣化しやすく、自動車や2輪車メーカーの課題だった。ヤマハ発動機は耐熱、耐錆、耐摩耗性に優れる特殊な酸窒化系化合物を開発。物理気相成長(PVD)法により、耐熱性の高い被膜を作ることに成功した。

 被膜は透明にすることも色をつけることも可能。製品の美観を損なわないだけでなく「宝石のような美しさを目指した」(高橋尚久材料技術部主査)という光沢感が特徴。耐熱性が高まるため、排気系部品の設計を簡素化でき軽量化、コスト低減にもつながる。

 第1弾として2007年に自社の大型スポーツモデル「FZ1フェーザー」に採用。現在は6モデルに展開する。実際のコーティングは、グループのマフラーメーカーのサクラ工業(浜松市東区)が行う。今後は他社とライセンス契約を結び、技術供与する考え。

 同技術はライバルの2輪車メーカーや自動車メーカーなど輸送機器業界だけでなく、異業種も注目している。すでにコーティング技術の美しさを生かしたカクテルシェーカーが製品化された。太陽光パネルや船舶、調理器具、家電製品への応用も期待され、一部試作に入っている。

日刊工業新聞2016年1月27日自動車面

COMMENT

マフラーの美観を保ちながら、高温の排ガスに耐える塗装技術には各社苦労していました。変色や劣化が発生するのは購入後のため、ライバルに技術供与しても販売には直接影響しない。外販した方がコストも下がると判断しました。近く技術を「商標登録」し、輸送用機器業界以外にも広めていきたい考えです。 (日刊工業新聞社浜松支局・田中弥生)

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