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フジオーゼックスと三菱重工が車用バルブ事業を統合

三菱重工工作機械と共同出資会社。空洞がない「中実バルブ」はフジオーゼックスに譲渡
フジオーゼックスと三菱重工が車用バルブ事業を統合

フジオーゼックスのHPより

 フジオーゼックスと三菱重工工作機械(滋賀県栗東市、白尾誠二社長、077・553・3300)は28日、4月末に自動車用エンジンバルブ事業を統合すると発表した。バルブ内部を空洞にして冷却効果を高めた「中空バルブ」は共同出資会社に製造を集約。空洞がない「中実バルブ」は三菱重工工作機械からの事業譲渡により、フジオーゼックスに一本化する。事業統合により商品の多様化とともに量産効果によるコスト削減を目指す。

 フジオーゼックスはバルブの軸部分を空洞にした「軸中空バルブ」、三菱重工工作機械は軸とヘッド(傘)を空洞にした「傘中空バルブ」を製造している。エンジンの高効率化に伴い燃焼温度が高温となる中、その対策として中空バルブが注目されている。

 これらの中空バルブの製造を新設会社のフジホローバルブ(静岡県菊川市)に移管する。新設会社の資本金は10億円で、出資比率はフジオーゼックスが68・1%、三菱重工工作機械が31・9%。中空バルブの受注・販売活動はフジオーゼックスが担う。フジオーゼックスの軸中空バルブの2015年3月期の売上高は約21億円。三菱重工工作機械は傘中空バルブの売上高を開示していない。

 一方、フジオーゼックスは1億8800万円で三菱重工工作機械の中実バルブ事業を譲り受ける。三菱重工工作機械の中実バルブ事業の売上高は約22億円で、事業譲渡後は工作機械などの事業に経営資源を振り向ける。
日刊工業新聞2016年1月29日4面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
三菱重工をはじめ大手重工メーカーは細かい事業は数多く抱えている。今後もそれらの集約や切り出しが増えるだろう。

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