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テスラが先行…コネクテッドカーサービスの進化の行方

アナリストが見通すモビリティのミライ #03・コネクテッド
世界のモビリティー産業がカーボンニュートラル達成に向けてアクセルを踏んでいる。しかし、エネルギー不足や半導体の供給不安などを背景に市場の見通しを見極めることは難しくなっている。そこで、モビリティー産業の動向を調査するS&P Globalのアナリストたちに未来を見通す上で持つべき視点などを語ってもらう。

ソフトウエアが自動車産業を根本から変える時代が本格的に到来している。車両の全体制御を行う車向けOS(基本ソフト)が中央管理し、スマートフォンのように機能をソフトで更新する「OTA(オーバー・ジ・エア)」が主流になるとみられる。“購入後も進化する”車の世界動向についてS&Pグローバル・モビリティーのアセーム・ウパールプリンシパルアナリストが語る。

OTAは最重要技術

車両の技術とプラットフォームの近代化に伴い、最重要技術の一つとなっているのが、車両のコンポーネントソフトウエアとファームウェアを遠隔で更新する機能だ。OTAアップデート機能は、米テスラが2012年発売の電気自動車(EV)「モデルS」で初めて導入した。

OTAアップデートはソフトウェアの更新で問題の修正などができるため、自動車オーナーの利便性を高め、自動車メーカーにとっても費用対効果の高いものになり得る。完成車メーカー各社はこの技術の根底にある多くの利点を収益化するために、OTA対応の構成を採用している。

アセーム ウパール氏

多くの完成車メーカーがOTAアップデート機能を実装しているが、ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)をアップデートする機能は依然として差別化要因となる。

テスラは12年からECUのアップデート機能を備えている。またGMは急速に追い上げており、20年には一部のECUと車両にOTAアップデートを実装した。さらに23年までにすべてのECUのアップデート実装を目指している。

事実、ほとんどの完成車メーカーが23年までに部分的、もしくは完全なECUのアップデート機能を実装する予定だ。22年には世界で約1400万台のライトビークルにOTAコアECUアップデート機能が搭載される。こうした車両の台数は、年平均成長率63%近くで増え、28年には世界で約2億5810万台となる見通しだ。OTAアップデート領域で最も急速な成長を示すことになる。

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