三井物産で働く社会人トップリーグチーム主将、佐藤将貴さんが語るアメフトからの学び
三井物産金属資源本部製鋼原料部合金鉄事業室の佐藤将貴氏は、2011年に高校アメリカンフットボール発祥の地である大阪府立池田高校でアメフトと出会い、現在も社会人トップリーグのオービックシーガルズで主将として活躍する。アメフトからの学びをどのように仕事との両立に生かしているのかを聞いた。
―19、23歳以下の世代別に加え、社会人2年目に日本代表に選ばれています。
「いずれも日本として優勝できなかったのは悔しかった。世界、特に米国の壁は厚かったが、アメフトを通して世界を知ることができた。将来は世界と戦える仕事をしたかったので、その確率が高い商社の就職試験を受け、18年に三井物産に入社した」
―アメフトからの学びは生かせましたか。
「大学時代は主将として1人でチームを変えられると思っていたし、実際にある程度は変えられた。一方で自分の限界も感じていた。そして、いざ三井物産に入社してみると、周囲には私よりも知識と経験が豊富な人ばかり。自分1人では何もできないことが分かり、アメフトも仕事もチームワークが前提であることを再認識できた。ただし、相反してしまうが、1人で何かを変えてやるという気概を持っている個人がチームを組み、協業することが最も理想だと思っている。チームのためにも、まずは自らの全力を尽くし、その上で人の力を借りる人間でいたい」
―社会人リーグの魅力は。
「米国のプロ選手や消防士、銀行員などさまざまな職種の人との出会いがある。コーチやスタッフを含めると100人近い集団で、ほぼ全ての業界のことが分かる。またアメフトでは監督やコーチ、チームメート、仕事でも上司や先輩、後輩らのおかげで人格形成ができていると感じている。これからはこれまでの学びを社会や会社、チームに還元していきたい」(編集委員・中沖泰雄)