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洋上風力の工期半減、清水建設が500億円で完成させた「SEP船」の役割

清水建設は洋上風力発電の導入拡大を見据え、建造していた自航式の自己昇降式作業台船(SEP船)を完成し「BLUE WIND=写真」と命名した。総トン数は約2万8000トンで、最大揚重能力2500トンのクレーンを備える。2023年3月から富山県入善町沖で3000キロワット風車3基を、7月には北海道・石狩湾新港の沖合で8000キロワット風車14基などを建設する。

清水建設が約500億円を投じ、ジャパンマリンユナイテッドが建造した。今後4カ月にわたって各種試験やオペレーション訓練を行った後、実際の現場に投入する。水深10―65メートルの海域に対応しており、作業時には4本の脚を海底に着床させて船体を持ち上げる。支柱を分割したり港と施工海域を往復したりする従来工法に比べ、工期を半分の2カ月に短縮できる。

SEP船で7月にも施工する「石狩湾新港洋上風力発電施設」は国内最大規模で、石狩湾新港から約1600メートル沖合に建設する。風車は鋼管トラス構造の基礎で支える「ジャケット式」で、発電容量は11万2000キロワット。グリーンパワーインベストメント(東京都港区)が運営し、北海道電力ネットワーク(札幌市中央区)に売電する。23年12月の運転開始を目指す。

日刊工業新聞2022年10月10日

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