世界最高電圧を達成、住友電工の海底送電ケーブルがスゴい
住友電気工業は、世界最高電圧となる525キロボルトの超高圧直流XLPE(架橋ポリエチレン絶縁)海底送電ケーブルシステムを開発した。大型電気システムに関する国際評議会のCIGRE推奨案(CIGRETB―496)に基づく1年間の長期実証試験を実施し9月に第三者機関から認定を受けた。住友電工は欧州を中心に海底ケーブルシステムの受注を伸ばしており、最高電圧の更新で受注競争力強化につなげる。
実証試験では独自開発したXLPEケーブルの特徴を生かし、業界標準の70度Cよりも20度C高い90度Cでの動作を検証した。この結果、従来の最大送電容量1・4ギガワットを40%以上上回る2ギガワット超の大容量送電が長期安定的に可能と認定さた。
従来は、同社が製造・敷設し2019年に商用運転を始めた英国―ベルギーを結ぶ400キロボルト直流XLPE海底ケーブルシステムが最高電圧だった。
再生可能エネルギーの普及拡大で、国家・地域間連系線の建設は盛んになっている。同社は送電線の高付加価値・高品質化で脱炭素需要を先駆けて開拓する。
日刊工業新聞2022年10月7日