海外からも誘客期待、トヨタが開業した「富士スピードウェイホテル」の目新しさ
トヨタ自動車が富士山のふもとの静岡県小山町で整備する複合施設で7日、「富士スピードウェイホテル」が開業した。レース場に隣接し、モータースポーツの歴史を体感できる博物館を併設。「モータースポーツとホスピタリティーの融合」をコンセプトに、唯一無二の付加価値創出を目指す。大自然とモータースポーツ、その他のアクティビティを一度に楽しめる施設は目新しく、海外からの誘客も期待できそうだ。(名古屋・政年佐貴恵)
同ホテルはトヨタのグループ会社であるトヨタ不動産(名古屋市中村区)が開発・経営し、ハイアットが運営を担う。
地下1階、地上9階建てのホテルに入り最初に目に入るのは、1800年代後半のクラシックカー。レース文化の130年の歴史を紹介する「富士モータースポーツミュージアム」だ。
1、2階に併設され、レース文化の黎明(れいめい)期や日本での盛り上がりなどテーマごとに15のエリアで構成。40台の展示車両の半数は、国内外の自動車メーカー10社から提供を受けた。布垣直昭館長は「美しいレーシングカーを間近で見られると同時に、技術進化を促した熱い歴史を楽しめる」と話す。
計120室の客室からは「富士スピードウェイ(FSW)」のコースか、富士山を眺められる。部屋でくつろぎながらレースを楽しむことも可能だ。
バーの壁面にはミニカーが飾られ、廊下などにはエンジンの実物を活用したモニュメントを置くなど、至る所で自動車文化を感じられる。例えばエスカレーター上に設置されたモニュメントは、FSWのコースと、そこで走行した際にドライバーにかかる加速度の大きさを表現した。
一方、ヨガ教室や電動アシスト自転車でのサイクリングなど、モータースポーツ以外の楽しみ方も提案する。ヘリコプターでの遊覧飛行といった新たなプランも検討中だ。吉川源太総支配人は「これまでに経験したことのない体験をしてほしい」とアピールする。