大関・琴奨菊も食べた?柳川発の調味料を世界へ押し出す
高橋商店が「ゆずすこ」の海外版
高橋商店(福岡県柳川市)は、ユズこしょうの液体調味料をタイで生産、海外での普及を目指している。同社の看板商品「ゆずすこ」の海外版として製品化。価格を抑えて売り込みやすくした。
高橋商店は、ペースト状の伝統的ユズこしょうを30年間作っている。その製造技術をベースに「ゆずすこ」を開発、2008年に発売。年間50万本を売る。米国、フランス、香港など18カ国へ輸出もしている。そこで課題だったのが価格。関税などで日本の3倍ほどになる地域もあった。
品質の高さが評価され、そのままでも一定の海外需要はあった。しかし、高橋社長は「一人でも多くの人に使ってもらい、日本の食文化として発信したい」と海外での低価格品の商品化を決め、生産拠点を探した。見つけたのがタイの食品メーカー。欧州向けのOEM(相手先ブランド)生産の実績があり管理面の問題はなかった。
熟成工程の指導に特に力を入れ、1年かけて生産体制を整えた。原料のユズは宮崎県産で、それ以外は現地産。「ゆずふる」の名称で13年秋に発売した。フィリピン、シンガポール、豪州などに輸出している。
「ゆずすこ」の輸出は続ける。「ゆずふる」が、日本製の需要を生み出すとみているからだ。また高橋社長が「市場拡大に必要」というのがライバルの出現。「中小企業1社でできることは限られる。切磋琢磨(せっさたくま)しながら市場を広げたい」と競合相手の出現に期待を寄せる。
(文=関広樹)
高橋商店は、ペースト状の伝統的ユズこしょうを30年間作っている。その製造技術をベースに「ゆずすこ」を開発、2008年に発売。年間50万本を売る。米国、フランス、香港など18カ国へ輸出もしている。そこで課題だったのが価格。関税などで日本の3倍ほどになる地域もあった。
品質の高さが評価され、そのままでも一定の海外需要はあった。しかし、高橋社長は「一人でも多くの人に使ってもらい、日本の食文化として発信したい」と海外での低価格品の商品化を決め、生産拠点を探した。見つけたのがタイの食品メーカー。欧州向けのOEM(相手先ブランド)生産の実績があり管理面の問題はなかった。
熟成工程の指導に特に力を入れ、1年かけて生産体制を整えた。原料のユズは宮崎県産で、それ以外は現地産。「ゆずふる」の名称で13年秋に発売した。フィリピン、シンガポール、豪州などに輸出している。
「ゆずすこ」の輸出は続ける。「ゆずふる」が、日本製の需要を生み出すとみているからだ。また高橋社長が「市場拡大に必要」というのがライバルの出現。「中小企業1社でできることは限られる。切磋琢磨(せっさたくま)しながら市場を広げたい」と競合相手の出現に期待を寄せる。
(文=関広樹)
日刊工業新聞2016年1月26日 モノづくり面連載「狙いは新興国」